| ■沈香■ |
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「日本書記」に、猟師達が淡路島の浜辺で、流木で
焚き火をしていたところ、えも言はれぬ芳香に驚き、
朝廷に献上したと言う記述があります。
これが香木「沈香」に関する最初の記述です。
聖武天皇は天平勝宝4年4月9日(西暦752年)の
東大寺の大仏開眼の翌年、巨大な沈香「浅香(せんこう)」を取り寄せられ、祭壇に供えられ、後に「全浅香(ぜんせんこう)」として正倉院に納められました。
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これら正倉院に納められている沈香は「両種の御香(りょうしゅのおんこう)(全浅香、蘭奢待)」として、香道の最高の香として知られています。
最近の研究の結果、これら「両種の御香」はラオス産であろうと推測されています。
しかしラオスの沈香は明治時代以降今日まで我が国に渡来した形跡はありません。
私共の沈香はすべて、ラオス国の産出県知事の自筆署名により、ラオス中部の東部山稜地帯の産であることが証明されております。
今日までバイオテクノロジー等の先端技術により徹底研究がなされましたが、香の材料になる沈香の香り成分の合成は勿論、人工栽培さえも断念されています。
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■沈香と伽羅の関係■ |
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室町時代以降の趣味人が「沈香の木」から採取された沈香を、匂いの質(甘い、辛い、苦い、酸っぱい、鹹い)で五味、木所(伽羅:きゃら:キャラ、羅国:らこく:タイ、真南蛮:まなばん:カンボジャ、真那賀:まなか:マレーシア、佐曾羅:インド?、蘇門答刺:すもたら:インドネシア)として産地と思われる六国に分類しました。
香道ではこの分類に貴賎の差別をしておりません。
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最近、芳香成分の精密分析等による研究から「両種の御香(全浅香、蘭奢待)」は、今日の伽羅
ではなく、爽やかで淡白な香りからなるラオス産沈香であることが明らかになりました。
今日まで「両種の御香(全浅香、蘭奢待)」を伽羅の1つと考え、特別なブランド「両種の御香と
同じ伽羅」として伽羅を他の5種の 沈香と区別し特別高価な物としてきました。
徳川家康が伽羅を偏愛し多量に収集したこともこの一因と考えられます。
しかし伽羅も他の5種の沈香と同じく沈香の木から採取したもので、沈香として貴賎の差別をしな
い方が文化史的にも学術的にも 正しいといえます。
濃厚で甘い香りの伽羅や爽やかで淡白な香りからなる沈香を好む人が少なくないことからしても、
この差別は嗜好上の区別としても問題があり、人々の沈香に対する正しい理解の妨げになって
おります。
以上、「沈香のうち上等品を伽羅と言い下等品を沈香と言う」は、若干商業上の意図と誤解で形
成された古い俗説の1つと考える 方が、せっかくの天恵である貴重な沈香を、人々の暮らしと
心を豊かにする為に生かす良い道と思われます。
正倉院以外にもラオス産沈香は、鹿嶋神宮宝物殿や久遠寺にも奉納されています。
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